【血液検査】血小板の異常値について
神戸・六甲で開院している在宅医療・一般内科・血液内科の赤坂クリニックです。
健康診断で、血小板の減少・増多の異常も指摘される方が多くいらっしゃいます。
今回は血小板減少症・増多症についてお話したいと思います。
Contents
血小板について
血小板は血液中の成分で、骨髄で作られています。 血栓を形成する機能があり、出血したときに止血するはたらきがあります。 血小板の寿命は7~10日間です。 基準値は15.5万~36.5万個/μL以下です。
血小板減少症
血小板が5万/μL以下に減少している場合を指します。
どんな症状がでるのか?
- 止血能力が下がるため、出血しやすくなります。(歯茎からの出血など)
- 皮下で内出血をおこします。
- 傷がなくても出血しやすくなります。
- 女性の場合、月経過多になったりします。
血小板が減少する原因は?
- 骨髄や造血機能に異常をきたす血液疾患(白血病、リンパ腫、再生不良性貧血など)の場合
- 血小板を破壊する抗体を作り出す病気(ITP:特発性血小板減少性紫斑病、SLE:全身性エリテマトーデスなど)の場合
- 肝障害(肝炎や肝硬変などで肝臓の線維化が進むと血小板減少が起こります。)
- ストレス
- 喫煙、飲酒などの生活習慣の悪化
- 妊娠(中期から後期)
- 薬の副作用 など
血小板増多症
血小板が40万/μL以上に増えている場合を指します。
どんな症状が出るのか?
- 痛み、しびれ、腫れなどの血栓症の症状。血栓ができると、心筋梗塞、脳梗塞、エコノミー症候群などの原因になります。
- 頭痛
- めまい
- 耳鳴り など
血小板が増加する原因は?
- 体質(生まれつき血小板が多い方がいますが、病気の原因となる場合があるので注意が必要です)
- 本態性血小板血症や真性多血症、慢性骨髄性白血病などなどの骨髄増殖性腫瘍 など
どんな検査をするの?
- 血液検査で血小板の増加を確認、血小板凝集能検査をします。
- 尿検査、便検査で潜血反応を確認することがあります。
- 骨髄検査を行う場合があります。
どんな治療をするの?
まず、疑われる薬剤を中止します。
血小板が減少している場合、止血剤・出血を防ぐ薬を服用します。
著しい血小板減少の場合は、血小板輸血を行うことがあります。
血小板が増加している場合、血栓を溶かす薬・血液をさらさらにする薬などを服用します。
病気によっては抗がん剤を服用します。
予防法は?
規則正しい生活を送り、ストレスをためないように過ごしましょう。
水分補給をしっかりして、血液がドロドロになるのを防ぎましょう。
血糖値やコレステロールが高いと血液がドロドロになりやすいので食生活に注意しましょう。
健診で異常を指摘されたり、気になる症状がある方は、お気軽にお問い合わせください。