症例解説

症例解説

血液内科・腫瘍内科の主な疾患

貧血の原因と種類

貧血とは?

貧血は血の中の赤血球やヘモグロビンという血の中のたんぱく質が正常より少ない状態のことを指します。

貧血の種類

貧血は大きく分けると4つに分類することが出来ます。その分類によって治療方法が大きく異なってきますので、しっかりと検査を受け、貧血の原因を特定することが大切です。

  • 鉄欠乏性貧血
  • 悪性貧血
  • 溶血性貧血
  • 再生不良性貧血

1. 鉄欠乏性貧血

いわゆる貧血の大半がこの鉄欠乏性貧血です。鉄欠乏性貧血は体の中の栄養素の1つである鉄分が不足して起こる貧血です。鉄分が不足する原因は「食生活の乱れによる食事での鉄摂取量不足」「妊娠・授乳期や成長期などで必要な鉄の量が一時的に増加している(必要な鉄分に足りていない)」「(消化器などからの)出血」などが考えられます。

2. 悪性貧血

赤血球が作られるときに必要なビタミンB12、葉酸が不足して、赤血球が作られなくなってしまうことで起こる貧血です。ビタミンB12は胃を切除した後に起こることが多く、葉酸不足は極端に偏った食事や大酒のみの人にまれに見られます。

3. 溶血性貧血

赤血球が壊れ、中のヘモグロビンが流れ出して起こる貧血です。長距離走やマラソン選手などの持久力が必要な競技のスポーツ選手に起こることがある貧血として知られています。

4. 再生不良性貧血

血液をつくる骨髄の働きが低下したことが原因で起こる貧血で、赤血球を含むすべての血球が作られなくなる難病です。新たに発生する患者さんの数は100万人あたり6人前後とされています。

貧血の症状

貧血では次のような症状がよくあらわれます。

貧血の主な症状

疲れやすい、食欲がでない、頭痛がする、動悸・息切れがする、めまいや立ちくらみがする。

貧血が進んだ時にでる症状

舌がツルツルになってしみる、ものが飲み込みにくい、枝毛が増える、髪が抜けやすくなる、氷をよく食べるようになる。

貧血の治療

まずは貧血の原因が何なのかを見極めることが大切になってきます。鉄分の不足が原因の場合は、それを補うための薬(鉄剤)を3ヶ月程度を目安に処方します。また普段の生活においては、以下の点に気をつけるように心がけましょう。

日常生活での注意点

  • レバー(肝臓)や煮干などの鉄分を多く含む食材を使い、食事での鉄分補給を心がけましょう。
  • 食事を良くかんでゆっくりと食べるましょう。鉄分などの栄養素の吸収が良くなります。
  • なるべく食べ過ぎないようにしましょう。異に負担がかかることにより、栄養素の吸収がされにくくなります。
  • 胃はストレスに弱い臓器ですので、ストレスをあまりためないようにしましょう。