症例解説

症例解説

血液内科・腫瘍内科の主な疾患

多血症の原因

多血症とは?

血液の中の赤血球やヘモグロビンの量が基準値よりも多くなる病気を、多血症(赤血球増多症)といいます。(体重1kgあたりの赤血球の量が男性:36mℓ、女性:32mℓ以上の場合、多血症と診断されます。)

多血症の原因はいくつかあり、骨髄の中の血を作る細胞ががん化するために起こる「真性多血症」、血を作る量を調整するホルモンが増える「二次性多血症」があります。

多血症の症状

多血症では次のような症状が現れます。

多血症主な症状

頭痛、皮膚のかゆみ、視力障害、目(結膜)の充血、脾臓の腫れ、高血圧、脳梗塞、痛風

多血症の治療方法

真性多血症の治療

多くなりすぎた赤血球の量を減らすために、2つの方法が用いられることが一般的です。

1. 瀉血(しゃけつ)

瀉血とは血液を抜くことで、週1~2回、300~400mℓの血液を抜きとります。
瀉血による効果は一時的で、緊急時に行なわれる方法です。

2. 化学療法

化学療法は、抗白血病という骨髄で赤血球がつくられるのを抑えるための薬を用いた治療です。化学療法を行う場合は、定期的な血液検査を行い、副作用の確認を行います。

二次性多血症の治療

血を作る量を調整するホルモンである「エリスロポエチン」の分泌を促進している原因を取り除きます。時には、高所での生活、喫煙も原因となりますので、注意が必要です。赤血球の量が多くなると血栓(血の塊)ができ、血管が詰まりやすくなります。それにともない、脳梗塞などの脳血管障害をおこす危険があるときは、まず瀉血を行ない、つぎに化学療法を行ないます。