認知症の種類・症状・治療について
兵庫県神戸市・六甲で開院している在宅医療・一般内科・血液内科・脳神経内科(認知症外来)の赤坂クリニック/スナメリ訪問看護ステーションです。認知症とは、脳細胞の死滅や活動の低下によって認知機能に障害が起き、日常生活・社会生活が困難になる状態の総称です。認知症は記憶の消失だけでなく、理解力や判断力にも影響します。今回は認知症についてお話します。
認知症にみられる症状
- 記憶障害(物忘れ)
- 時間や場所などの認識が低下する見当識障害
- 判断能力の低下
- 集中力・作業能力の低下
- 精神的混乱・落ち込み
主な三大認知症
アルツハイマー型認知症
- 認知症のうち最も多く、全体の半数以上とされており、女性に発症が多いといわれています。
- 脳にアミロイドβやたんぱく質が異常にたまり、脳細胞の損傷や神経伝達物質が減少します。これにより脳全体が委縮して引き起こされると考えられています。
- 主な症状は記憶障害、見当識障害、料理ができなくなったり、手順や計画が必要な行動が困難になる実行機能障害です。
- 治療は抗認知症薬を服用します。
レビー小体型認知症
- 認知症の2割がレビー小体型認知症とされており、男性に発症が多い傾向があります。
- レビー小体という特殊なたんぱく質が脳の大脳皮質や脳幹部に生じ、その影響で脳神経細胞が破壊され発症します。
- 記憶障害、見当識障害、実行機能障害がみられますが、さらにパーキンソン症状や幻視、自律神経症状、レム睡眠障害、薬剤過敏症などがあげられます。
- 初期は認知機能低下がみられることは少なく、パーキンソン症候群の症状(振戦、無動、固縮、無表情など)が表れます。
- 治療には抗認知症薬、パーキンソン症状には抗パーキンソン薬を服用します。
- パーキンソン症状にはリハビリテーション(運動療法)が効果的です。
脳血管性認知症
- 脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血などの脳卒中により、脳細胞が死滅することで発症する認知症です。記憶障害や見当識障害がみられますが、脳細胞の損傷によって身体の麻痺や言語障害を伴ことがあります。
- 治療には脳血管障害再発防止のため、高血圧薬や脳血流改善薬などを継続して服用します。
- 運動機能のリハビリ、言語機能のリハビリ、嚥下のリハビリなども効果的です。
認知症も他の病気と同様に、早期発見・早期治療は重要です。
認知症の治療はその進行を緩やかにしたり、生活の質を向上させることを目的としています。
気になる症状がありましたら、当院にご相談ください。