高齢者の便秘薬や原因、解消のための看護について
神戸・六甲で開院している在宅医療・一般内科・血液内科の赤坂クリニック/スナメリ訪問看護ステーションです。先日、高齢の患者さんが便秘で苦しみ、3日間にわたる摘便、浣腸、下剤で改善しましたが腸閉塞寸前でした。 今回はよくご質問いただく高齢者の便秘薬についてや高齢者の便秘の原因や看護、解消方法、高齢者の便秘によい食べ物についてお話します。
便秘の原因
- 加齢に伴い食事の量、水分の摂取量が減少する
- 加齢に伴い大腸の動き(蠕動運動)や腹筋などの筋力が弱まり排便しづらい
- 加齢に伴い便意を感じにくい
- 薬の副作用
便秘の定義・目安
- 週3回未満しか排便がない
- 下腹部に不快感がある
- いきまないと排便できない
- 毎日排便があっても、固くて出にくい
- 残便感がある
便秘に伴う症状
- 下腹部の不快感・膨満感・痛み
- 吐き気・嘔吐
便秘の予防
- 便意がなくても一定の時間にトイレに行き、排便のリズムをつける
- 食事は1日3回規則正しく、バランスよく食べる
- 食事量の不足は便の材料不足による便秘の原因になるので食事量にも気を付ける
- 乳製品や食物繊維を摂る
- 適度な油を取り入れて便を出しやすくする
- 水分はこまめに、十分にとる
- 特に起床時にコップ1杯の水を飲むと大腸の働きが活発になります
高齢者はのどの渇きに気づきにくかったり、トイレ回数を気にして水分を控えたりするので、水分摂取量が少なくなりがちです。嚥下困難や認知症の方は水分摂取が極端に減ることがあり、脱水症になっていても自覚症状がない場合があります。また便秘になっていても我慢する方がおられます。ご家族の方が気づいたら早めに受診してください。