カンピロバクター食中毒
神戸・六甲で開院している在宅医療・一般内科・血液内科の赤坂クリニックです。
今回は最近流行しているカンピロバクター食中毒についてお話したいと思います。
カンピロバクターについて
カンピロバクターはニワトリ、ウシ、ブタなどの腸内に棲んでいる細菌です。
最も多いのは鶏肉および内臓(生レバー)といわれています。
また、井戸水からも検出されます。欧米では生乳からも検出されます。
5月から7月が流行のピークですが、10月前後も多くなります。
ノロウイルスに次いで多く起こる食中毒です。
どんな症状?
- 嘔吐、腹痛、下痢(まれに血便)
- 発熱、頭痛
- 倦怠感
ほとんどの患者さんは約1週間で自然治癒します。
まれに、カンピロバクターに感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こすギラン・バレー症候群やフィッシャー症候群を発症する場合があります。
潜伏期間は?
2~5日間で、菌が体内に入ってから症状が出るまでやや長いのが特徴です。
原因は?
- 生レバーやバーベキューなどで、鶏肉を生や加熱が不十分な状態で食べた場合
- 菌が付着していた肉と野菜を同じ箸や皿を使った場合
予防法は?
- 十分な加熱調理(中心温度75℃で1分以上加熱)
- 二次汚染防止のため、手指・調理器具などの洗浄・消毒・殺菌
カンピロバクターは少量の菌で食中毒が起こるのが特徴です。
(通常の食中毒菌は10万~100万個で発症すると言われていますが、カンピロバクターは100個程度で感染します)
食材のなかでは鶏肉や牛レバーから最も高率に検出されるので、生あるいは加熱不十分の鶏肉や内臓肉を食べることはやめましょう。
食中毒が疑われたときは?
食中毒の種類によっては、自己判断による下痢止めの服用などで症状が悪化する場合もあります。
下痢や腹痛がひどい場合は、必ず医療機関の診察を受けて原因を調べてもらい、適切な治療を受けましょう。