パーキンソン病とパーキンソン症候群の違い
神戸市・六甲で開院している訪問診療・一般内科・血液内科・脳神経内科(認知症外来)の赤坂クリニック/スナメリ訪問看護ステーションです。
パーキンソン病は厚生労働省の指定難病で、神経難病の中で最も患者さんが多い疾患です。大脳の下に位置する中脳の黒質にある神経細胞が減少し、ドパミンという神経伝達物質が脳内で不足することで、手足の震えや動作が遅くなるなどの症状が現れる進行性の病気です。日本では1000人に1人がこの病気にかかるといわれています。一方、パーキンソン症候群はパーキンソニズムと呼ばれており、パーキンソン様症状がみられる疾患や状態を指します。今回はパーキンソン病とパーキンソン症候群についてお話します。
パーキンソン病とは?
大脳の下に位置する中脳の黒質にある神経細胞が減少し、ドパミンという神経伝達物質が脳内で不足することで、運動の調節がうまくいかなくなり、手足の震えや動作が遅くなるなどの症状が現れる進行性の病気です。
パーキンソン病の症状
ゆっくりと進行し、初期には必ず左右差があります。主な症状は以下の4つです。
- 振戦:手・足・顎などが何もしていない時にふるえる「安静時振戦」がみられます。
- 筋固縮:筋肉の緊張が強くなり、手足の動きがぎこちなくなります。
- 無動:動作の開始に時間がかかり、動作そのものも遅くなります。まばたきが減り、顔の表情が硬くなる仮面様顔貌がみられます。
- 姿勢反射障害:体が傾いた時に姿勢を立て直すことができなかったり、転びやすくなります。座っている時も姿勢をまっすぐに保つことができなくなります。
他には、自律神経症状、精神症状、睡眠障害、認知機能障害などがみられます。
パーキンソン病の診断
- 問診を行い、関節の動きや身体のバランスをみる神経学的診察を行います。
- CT、MRI、SPECTなどの画像検査を行い、脳の形や働きを調べます。
- 心筋シンチグラフィーという心臓の交感神経の状態をみる検査を行うことがあります。
- パーキンソン病の薬を服用してみて、有効であればパーキンソン病と臨床診断します。
パーキンソン症候群
- パーキンソン病と同じような症状を表す病態をいいます。
- パーキンソニズムとも言われます。
- パーキンソン病以外のパーキンソン病のような症状がみられる疾患や状態をいいます。
本態性振戦、多系統委縮症、多発性ラクナ梗塞、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症など
パーキンソン病はゆっくり進行する病気ですが、早く適切な治療を行えば良い状態を保つことができます。また症状に合わせてリハビリを行うことが大切です。気になる症状がありましたら、お電話でご相談ください。