水虫(手・足)白癬菌はうつる?原因と薬について
兵庫県神戸市・六甲で開院している訪問診療・一般内科・血液内科・脳神経内科(認知症外来)の赤坂クリニック/スナメリ訪問看護ステーションです。
水虫の原因である白癬菌は15度以下では活動を停止していますが、気温が上がり暖かくなると活動しはじめます。今回は水虫(手・足)白癬菌の原因や治療薬、完治のためのお話です。
水虫とは
- 水虫はカビの一種である白癬菌が、皮膚の角質層に寄生することによって起こる皮膚の病気です。
- 白癬菌はケラチン蛋白を分解して発育するため皮膚表面だけでなく、ケラチンでできた爪にも感染します。
- 手や体にも感染しますが、9割近くは足に感染します。
- 白癬菌は付着しただけでは感染しません。洗い流されずに残った菌が、傷ついた角質から入り込み、高温多湿という繁殖しやすい環境に整ったときに菌が繁殖しはじめ症状が出てきます。
水虫の症状
足白癬(足の水虫)
- 趾間型:足の指の間が赤くなり、白くふやけて皮がむけます。痒いことが多く、ただれて液が出てきます。
- 角質増殖型:足の裏、かかとの角質が厚くなり、表面がざらつき皮がむけます。自覚症状はありません。
- 小水疱型:足の裏やフチに2~3mm程度の水泡ができ、痒みを伴います。
爪白癬(手・指の水虫)
手にできる水虫は爪がぼろぼろになることがあります。
水虫の診断
爪や皮膚の病変を一部分の検体を採取し、顕微鏡で白癬菌がいるかどうかを検査します。
水虫の治療
- 足の皮膚のみ:外用薬で治療可能
- 爪白癬:完治するためには3~6か月間抗真菌剤の内服が必要です
- 爪で成長した白癬菌は爪を分厚くさせるため、削ったり白くなった部分には穴をあけて外用剤を詰め込む治療をします
高齢者に多い白癬菌
- ご高齢になってくるとご自身での爪のお手入れが難しくなったり、また加齢に伴う足の血行障害で白癬菌が皮膚の角質層内に侵入し、さらに爪の中に侵入することで爪白癬になることがあります。
- 在宅療養されて寝たきりの状態では巻爪になりやすく、白癬菌に感染しやすくなります。
- 高齢者の方が爪白癬になると、下肢機能が低下し転倒や歩行困難などのリスクが高くなることから、日ごろから爪のケアと爪白癬の治療、感染の拡大を防ぐことが大切です。
水虫の予防
白癬菌は高温多湿でアルカリ性の皮膚環境が繁殖しやすい状態です。皮膚を清潔にし弱酸性の状態に保つことで予防できます。