コラム

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血小板が減少する原因は?

兵庫県神戸市・六甲で開院している在宅医療・一般内科・血液内科・脳神経内科(認知症外来)の赤坂クリニック/スナメリ訪問看護ステーションです。血小板は血液に含まれる細胞成分の一種で、出血したときに血液を固めて止血する作用があります。血小板が少ないと出血のリスクが高まり、皮下出血やあざがみられます。今回は血小板減少についてお話します。

血小板減少の原因

  • EBウイルス、肝炎ウイルス、HIVなどのウイルス感染
  • 抗菌薬、抗がん剤、エタノールなどの薬剤性血小板減少
  • 急性白血病、再生不良性貧血など骨髄不全による汎血球減少
  • 特発性血小板減少性紫斑病(ITP):厚生労働省の指定難病で、血小板減少をきたす他の病気や薬剤の服薬がなく、血小板が減少し出血しやすくなる病気です。
  • ピロリ菌感染:ITPの患者さんの約60%がピロリ菌を除菌すると血小板が増加することがわかっています。2種類の抗菌薬を2週間服用します。
その他、膠原病や先天性血小板減少症などがあります。

病気ではない血小板減少

白血球・赤血球・血小板を測定する血算用の採血管にはEDTAという抗凝固剤が入っており、これを使用すると血液が凝固してしまい、血小板数が実際より少ない数字で算定されることがあります。自動血球計測器では凝集した血小板を認識できず算定することができません。このような見かけ上の血小板減少をEDTA依存性偽性血小板減少症といい病気ではありません。EDTAにより血小板表面の抗原が変化し、免疫グロブリンが反応して凝集を引き起こすと考えられています。ヘパリンやクエン酸ナトリウムなどの抗凝固剤を使用すれば正確に測定できる場合もあります。発生頻度は0.1~0.2%で、自己免疫性疾患や抗菌薬が投与されている患者さんに多いといわれています。健常人にも認められ、検診を受けて血小板減少を指摘され判明することがあります。 血小板は一般的に2万/μL以下になると鼻や歯茎から出血する可能性があり、1万/μL以下になると自然出血(外傷なく頭蓋内出血)が起こる可能性が高まります。 あざができやすい、出血しやすいなど気になる症状がありましたらご相談ください。