コラム

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痛風発作の対処法について~早く治すために~

神戸・六甲で開院している在宅医療・一般内科・血液内科の赤坂クリニック/スナメリ訪問看護ステーションです。ビールを飲み過ぎた翌朝に、親指の付け根が赤く腫れて痛くなる症状が出る「痛風発作」を起こすことがあります。今回は痛風発作についてお話します。

痛風発作の症状は?

風が吹いただけでも痛いということから「痛風」と呼ばれています。足の親指の付け根以外には、足関節、足の甲、アキレス腱の付け根、膝関節、手関節にも痛風発作が起こることがあります。尿路結石や耳介に痛風結節ができることもあります。

痛風発作の原因は?

尿酸値が上昇し飽和溶解度を超えると、関節内に尿酸塩結晶が生じます。この結晶を白血球が処理する際に痛風発作を起こします。高尿酸血症の症状が長く続くと尿酸結石が腎臓に生じ、腎機能が悪化して腎不全にもなります。

高尿酸血症の原因は?

生活習慣や体質により腎臓から尿酸を排出する機能が低下する場合や、暴飲暴食、肥満、激しい運動などさまざまな原因があります。高圧利尿剤が原因となる場合もあります。

痛風の予防は?

以前はビールや、肉のレバー類、魚の干物などプリン体を多く含む食品を避けるほうが良いとされていました。現在はカロリーを控えバランスのよい食生活を心がけることが大切だといわれています。
また、肥満の場合は尿酸が尿中から排出されにくくなり、高尿酸血症の状態になりやすいといわれているので肥満解消も大切です。

痛風の治療・治し方は?

痛風発作の痛みを取り除くために消炎鎮痛剤を用います。
痛風は痛風の原因である高尿酸血症の治療が欠かせません。内服薬で血中尿酸値をコントロールします。痛風発作が起こっていなくても、尿酸値が正常値である7mg/dL以上の高尿酸血症の場合は、動脈硬化の促進・脳卒中や心臓病、腎不全などの合併症を引き起こすことがあるので治療を行います。


夏場は暑さで体が脱水症状になり、血中の尿酸値が上昇するため痛風発作が多く起こりやすいといわれています。また、アルコールは尿酸の生成促進と尿酸の排出低下により、血中の尿酸値を上昇させます。こまめな水分補給、食生活の改善、肥満の解消で、痛風の予防を心がけましょう。